全国公立大小論文の旅~岩手県立大学編~
こんばんは、シン・中の人、一ノ瀬(@mAjorstep_jp)です。
先日、話題になっている「ちいかわ」の映画を見てきました。ラストシーンが怖すぎて、コーヒーをこぼしました。鑑賞後、心を落ち着かせるために「平家物語」を読みました。ご覧になった方はこの気持ちをご理解いただけるかと思います。まだ見ていないという方はぜひ!
さて、久々のこのシリーズ「全国公立大小論文の旅」です。
忙しくて、全国の公立大学の過去問まで手が回らない! そんな先生方に代わって、メイジャーステップが“小論文全国行脚”するシリーズです。これまで、
新潟県立大学
山口県立大学
を取り上げてきました。まだご覧になっていない方はぜひ!
中部、中国地方ときて、今回は東北です!
岩手県立大学は、岩手県滝沢市にある公立大学です。1998年に開学し、「自然・科学・人間が調和した新たな時代を創造する」ことを理念としています。
今回ご紹介するのは、総合政策学部一般選抜(後期)の小論文についてです。

令和6年度は「老朽化マンション」、令和7年度は「物流の2024年問題」、そして令和8年度は「チケットの高額転売」。
テーマだけを並べても、かなり現代的な社会問題が選ばれていることが分かります。
そして、問題を開いてさらに驚くのが、資料の多さ!
最新の令和8年度では、なんと資料Aから資料Fまで、6つの資料が提示されています。新聞記事だけでなく、書籍、経済学者による論考、弁護士への取材記事、グラフなど、異なる種類の資料を読み合わせながら解いていく問題です。
これは面白そう……!
ということで今回も、根岸先生と一緒に問題を読んでみました。
「これ、小論文じゃないですよね?」
(一ノ瀬):かなり面白い問題ですよね。
(根岸先生):面白いですよ。でも最初に言っておくと、これ、小論文じゃないですよね(笑)
(一ノ瀬):あ、やっぱりそうですか(笑)
(根岸先生):大学自身も「総合問題」と呼んでいるので、それでいいんですけどね。特に令和8年度を見ると、小論文というより、かなり読解問題に近いです。例えば最後の問6は「なぜチケットの高額転売はなくならないのか」を600字以内で説明する問題です。一見すると小論文っぽいですよね。でも、大学が公開している解答例を見ると、書かれている内容はほぼすべて資料から拾えるんです。
つまり、「自分だけの斬新な意見を書いてください」という問題ではないわけです。
複数の資料から必要な情報を集めて、整理して、文章にまとめられるか。
そこを見ている問題なんですよ。
大学側も、令和8年度について「複数の学問分野や視点からの異なる意見を収集して把握する能力」と、それを文章にまとめる能力を重視したと説明しています。
資料AからFまで! でも、実はそんなに難しくない
(一ノ瀬):ただ、最初に問題を見たとき、資料AからFまであるのはかなり圧倒されました。ここまで資料を出す大学って、そんなに多くないと思ったんですが…。
(根岸先生):多くはないですね。ちょっと慶應の総合政策学部っぽさはありますよね。もちろん難易度はかなり違いますけど。でも、岩手県立大学の問題は、資料が6つあるからといって、決して難しいわけではないんです。一つひとつの資料はそれほど難解ではないし、それぞれの問いで「この資料を読んでください」とかなり明確に指定されていますよね。だから、資料を一気に全部統合しなきゃいけないわけではありません。
(一ノ瀬):順番に一つずつ処理していけばいい!
(根岸先生):そう。
令和8年度なら、100字、150字、100字、200字と短い記述問題を解いて、最後に600字です。しかも、解答例を見ると、「こんなにたくさん採点ポイントがあるのか…」と怖がる必要もない。
例えば100字程度の記述だったら、当然ですけど採点基準が10個、20個あるわけじゃないんですよ。解答例に下線が引いてあるんですけど、問2なら大きく二つ、問3なら三つくらい。
本文のどこを使えば答えになるのかを見つけて、それをつなげれば書ける。
生徒には、そういうことを伝えてあげたいですよね。
小論文の「入り口」として
(一ノ瀬):この問題を解いてみて、すごく「書きやすいな」と思ったんです。順番に問いを解いていけば、最後の600字を書くころには、自分の中で問題の構造がだんだん見えてくる。小論文が苦手な生徒の最初の練習としても、よさそうだなと思いました。


