志望理由書は「未来」だけでは弱い。時間軸で考える指導法
こんばんは、中の人(@mAjorstep_jp)です。年長さんは行事が盛り沢山で、遠い畑まで今度はじゃがいも掘りに行くようです。今まではサツマイモ掘りだったのですが不作が続いているのでじゃがいもに切り替えたんだとか。肉じゃが、じゃがバタ、ポテチ……持ち帰ってきたものをどう調理するか、相談して決めたいと思います。
さて、今回の記事は前回に引き続き、志望理由書についてです。推薦入試や総合型選抜の指導が本格化してくると、志望理由書の構成に悩む先生方も増えてきます。
中の人自身もこれまでたくさんの志望理由書を添削をしてきました。そこでよく感じるのが、
「内容は立派なのに説得力が弱い」
「将来像は書けているのに印象に残らない」
「意欲はあるが、どこか地に足がついていない」
というケースです。
実は多くの場合、「未来の話だけで文章が構成されている」ことが原因です。
今回は、志望理由書をより説得力あるものにするためには何が必要か、根岸先生に伺いました。
……本文のサマリー……
志望理由書は「将来どうなりたいか」だけを書く文章ではない。説得力を持たせるためには、「過去・現在・未来」を接続する視点が重要になる。資格取得型の志望理由書では、特に“今どんな努力をしているか”が重要になる。一方、社会問題解決型では「そのために今、何をしているか」が重要になる。どちらの場合も、社会問題や理想論だけで終わらせず、自分自身の経験や問題意識を接続することが大切である。
志望理由書には「時間」がある
志望理由書というと、
・将来どうなりたいか
・大学で何を学びたいか
・どんな社会貢献をしたいか
を書くもの、というイメージがあります。
もちろん間違いではありません。ただ、未来の話だけで文章を組み立てると、どうしても抽象的になります。そこで重要になるのが、「過去」「現在」「未来」の3つの軸が必要だ、とお話ししましたね。
では、今日はこれらの三つの時間を文章の中でどう構成し、どのように接続するかを整理しましょう。
たとえば、
過去:どんな経験があったのか
現在:どんな課題意識や努力があるのか
未来:何を実現したいのか
という流れです。
この3つが繋がると、志望理由書は一気にその人の文章になります。では次に、よくあるパターンを2つご紹介します。
資格取得型の志望理由書
たとえば、教員・看護師・保育士・理学療法士など、資格取得を前提とする進路の場合は、比較的王道の構成があります。
① 過去
その職業を目指したきっかけや原体験
② 未来
どんな職業人になりたいか
③ 現在
そのために必要な力と、高校時代の努力
④ 志望先
大学で何を学びたいか
この構成の強みは、「なぜその職業なのか」が自然につながる点です。
特に重要なのは③です。
生徒はどうしても「将来こうなりたい」に意識が向きますが、大学側が見ているのは、「そのために今、何をしているか」です。
・読書
・探究活動
・部活動
・ボランティア
・資格取得
・日々の学習
どんなに小さなことでも、“現在進行形の努力”があると文章に現実味が出ます。
社会問題解決型の志望理由書
一方で、・地域活性化・教育格差・環境問題・福祉・国際問題など、社会課題への関心から進路を考える生徒もいます。
このタイプは、少し構成が変わります。
① 未来
目指したい社会像や理想
② 現在
それを阻む社会問題
③ 現在→未来
問題解決の方向性
④ 過去→現在
自分がその課題に向き合う理由
⑤ 志望先
大学で学びたいこと
このタイプでは、「社会を見る視点」が重要になります。ただし、社会問題ばかりを書いてしまうと、自分が見えない文章になります。
そこで必要なのが④です。
なぜその問題に関心を持ったのか。どんな経験が背景にあるのか。
これらの表現が入ると、単なる社会問題レポートではなく、他の誰でもない自分の進路として語る文章になります。
構成は型ではなく補助線
ここで大切なのは、「この構成が正解」という話ではないことです。志望理由書には、唯一の正解はありません。生徒の経験も違えば、目指す進路も違います。
だから構成は、当てはめる型というより、考えるための補助線に近いものです。
ただ、多くの生徒は、「何を書けばいいかわからない」「話が広がりすぎる」「抽象的になる」という状態に陥ります。
そんなとき、“時間軸”で整理すると、内容がかなりまとまりやすくなります。
・過去に何があったか
・現在どう考えているか
・未来どうしたいか
この流れを意識するだけでも、文章の説得力は変わります
今の時期の添削で意識したいこと
では、志望理由書作成が本格化しつつあるこの時期に、私たちはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。