過去のエピソードを掘り起こす!“経験を語れる力”を育てる
こんばんは、シン・中の人、一ノ瀬(@mAjorstep_jp)です。
今日は秋分の日。昼と夜の長さがほぼ同じになる節目の日ですね。あわただしい文化祭・体育祭シーズンを乗り越え、少しほっとした先生方も多いのではないでしょうか。秋の夜長にじっくり授業づくりや自己研鑽に取り組むヒントとして、今号をお届けします。
さて、前回から新シリーズ、「未来をひらく自己分析 ― 授業で使える5ステップ」と題し、現高1・2年生向けの自己分析の具体的な方法をお届けしております。第一回は、生徒に”自己分析”の意味を伝えることを目的とした内容でしたが、読んでいただけましたか?
まだの方はぜひこちらから!
第一回の内容では、自己分析は、「過去・現在・未来+社会」の4視点で考えることが重要だということをお伝えしました。
第二回目は、時系列に沿った自己分析のうち、「過去」の分析方法をご紹介します。過去のエピソードや経験を言語化する練習を通して、自己分析を深め、志望理由書に書けるネタを増やすことを目的とした内容です。日々の授業づくりに生かしていただければ幸いです。
メイジャーステップの根岸です。X:@DiceK_Negishi
今回は自己分析の「過去」編です。実際の指導の場面ではそれぞれの生徒さんの個性あふれる文章を読むことができます。それはそれでとても楽しいのですが、志望理由書に仕立て上げていくことや、生徒さん自身が自分の力で未来を切り拓いていくことを念頭に置くと、ただ「楽しい文章ですね」「いい経験をしましたね」で終わるわけにはいきません。
生徒さんが自分自身を知るために、先の人生に繋げるためにどのような支援ができるのか。それを考えていただくこともこの記事でできるのかもしれません。一ノ瀬の渾身の記事と授業プランをぜひお読みください。
授業のねらい
第2講のねらいは以下の2点です。
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経験を具体的に描写できるようにする
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志望理由書に活かせるエピソードを整理させる
「経験を語ってください」と言われると、「文化祭の経験」「体育祭の経験」等、イベント毎の経験を挙げる生徒が多いです。しかし、その出来事だけでは自己分析における「経験」とはいえません。
まずは「経験」とは何かを理解し、具体的に語れるようにします。また、単に事実だけを書くのではなく、エピソードを入れて独自性を高めることを意識させます。
経験とは何か?
高校生に、「印象に残っている経験は?」と聞くと、「はい、私が印象に残ってる経験は、高校1年生の時の体育祭ですor文化祭ですor校外学習です!」といったように、大半の子がイベント毎を挙げてきます。確かにそれでいいのですが、その出来事だけでは、自己分析における「経験」とはいえません。まずは、自己分析における「経験」を定義付け、生徒との共通言語を作ることから始めます。