共通テスト芸術論、読み応えアリ
こんばんは、中の人(@mAjorstep_jp)です。
長野から帰宅して、寒くない!と感動して外出もコートなしでしばらくいましたが、ものの数日で寒くてたまらなくて凍えています。人間の体は本当に不思議ですね。インフルエンザBも流行し始めたと聞きました。先生方もお気をつけくださいね。
さて、先日は共通テストがありました。この間の打ち合わせで根岸先生に共通テストについて伺ったところ、いくつか興味深いお話があったので、ニュースレター会員の皆さんとシェアします。
共通テストの芸術論について語る
中の人:(以下(中))今年の大学共通テスト、第一問の評論が「芸術論」でしたね。今回の共通テストについての印象はどうでしたか。
根岸先生:(以下(ね))正直に言うと、あそこまで「語りたくなる評論」が出るとは思っていませんでした。語っていいですか?
形式としては評論ですが、かなりエッセイに近い文章でしたよね。
(中の人注:桜井あすみ氏の「『贈与』としての美術・ABR」)
幼少期の体験から始まって、造形行為の意味を問い直し、「美しさとは何か」を考察する。美しさとわかりえなさは相互嵌入し、交換ではなく贈与の枠組みで捉えるべきものだというのがざっくりとした流れでした。
そして、美しさというのは客観的な価値、みんなで共有されている基準だと思われがちだけれど、実際には主体的で、きわめて個人的な価値に支えられているんじゃないか、というテーマでしたね。共通テストにしては、かなり踏み込んだ問題提起だと思うのですかが、いかがですか?
(中):結構読み応えがありましたね。先生は特に印象に残った箇所はありますか。
(ね):ジョルジュ・バタイユのラスコー洞窟壁画の分析が出てきたところですね。
ラスコーの壁画という、いわば「人類共通の遺産」みたいなものを扱いながら、描く主体と、描かれる対象、さらには見る主体と客体の関係を揺さぶってくる。主体と客体は完全に分かれているものではなく、実は同一の存在として重なり合っている、という話です。