『一生に一度は解きたい 至高の国語良問440』刊行記念スペース(前編)
こんばんは、中の人(@mAjorstep_jp)です。初任の時にお世話になった学年主任の先生が校長先生になっていました。お立場は変わってもお人柄は変わらず、自分のことを覚えていてくれたこと自体が嬉しかったのですが、当時のことを思い出して下さって、より嬉しい気持ちになりました。
さて、今回は、同じく我々小論文・現代文の指導スキルを学ぶ会にご縁のある方から朗報がありましたのでそちらのご紹介をいたします。
その方とは、当会の現代文作問勉強会によくお越しくださっているCSJプラススタディの福嶋淳先生です。
こちらの刊行にあたり、担当のかんき出版編集部の田中さんと根岸先生を交えて、Xのスペースでお話を伺いましたのでその内容をまとめました。
……本記事のサマリー……
『一生に一度は解きたい 至高の国語良問440』は、当初250問程度を予定していた企画から、問題を削れなかった結果として440問にまで膨らみました。本書は単なる問題集ではなく、子どもも大人も一緒になって遊び、会話が生まれることを目指した一冊です。著者の福嶋淳先生は、自分でも解けなくなる問題をあえて作ることで、何度でも挑戦したくなる面白さを追求しました。後編では、問題づくりの裏側や、福嶋先生が語る「良問」の条件、そして国語教育への思いに迫ります。
「最終的に440問になるとは思っていませんでした。」刊行記念スペースの冒頭で、福嶋淳先生はそのようにおっしゃいました。
タイトルにもなっている440問という数字ですが、実は最初から決まっていたわけではなかったそうです。田中さんによれば、当初の構想では250問程度を予定していたそうです。
シリーズ前作である『至高の算数良問100』を考えても、それで十分なボリュームでした。ところが、制作が始まると予想外のことに問題を選べなくなったのです。
「最初は各ジャンルから6問くらいを選ぼうという話でした。でも並べてみると、どれも面白いんですよ。」と、田中さんはそう振り返ります。
「だったら、これも載せましょう。」その一言が積み重なっていきました。すると今度は福嶋先生も新しい問題を作ってきます。
「田中さんが『これもいいですね』と言ってくださるので、僕も調子に乗っちゃうんですよ。」
しかし、このやり取りこそが、本書らしさを象徴しているように感じました。問題数を増やすことが目的ではありません。面白い問題を削れなかった、その結果が440問だったのです。
教室の本棚に置いてほしい一冊
スペースの中で印象的だったのは、根岸先生が「この本をどう使ってほしいか」を語った場面です。
長年、中学受験国語を教えてきた根岸先生は、完成した本を見て真っ先に思い浮かんだ光景があったと言います。
それは塾の教室でした。
「教室の本棚に、この本が一冊置いてあったらいいなと思ったんです。」
誰かが何気なく手に取る。すると、その周りに子どもたちが集まってくる。
「これ分かった?」、「先生より先にできた!」
そんな声が自然と飛び交う。先生も輪に入り、一緒になって考える。その光景が目に浮かんだそうです。
この本が特に面白いのは小学5年生。4年生では少し難しく、6年生は受験が本格化して遊んでいる余裕がありません。だからこそ、一番夢中になってくれるのが5年生ではないかと話します。
この話を聞きながら、私はこの本は問題集というより「遊び道具」なのだと感じました。
勉強のために開く本ではなく、面白そうだから開いてしまう本。その結果として、語彙や読解力が育っていく。
そんな教材は意外と多くありません。
子どもにも、大人にも難しい
「国語は、大人だから勝てるわけじゃないんですよ。」と、福嶋先生はそう笑います。
算数なら、知識や計算力で大人が勝つ場面も多いでしょう。しかし語句や言葉遊びは違います。
柔軟な発想を持つ子どものほうが、あっさり答えを見つけてしまうことがあります。本書を使って親子対決を楽しんだり、お孫さんと勝負したりと、交流に使うこともできます。
これは知っているかも、と思って問題に挑んでも、ところが答えが出てこない。
答えを見ると、「ああ、それか。」となる。知っているのに出てこない。
その悔しさが、次にはちゃんと思い出せる知識へと変わっていく。
それこそが、この問題集の面白さなのです。
田中さんは、本書についてこんな言葉を口にしました。
「なるほどと思った感動を、誰かに伝えたくなる本になればいいと思っています。」
親子でもいい。先生と生徒でもいい。友人同士でもいい。
「この問題、やってみて。」
そんな会話が始まれば、この本は役目を果たしたことになります。
著者自身も解けない問題がある
さらに驚いたのは、福嶋先生自身がこんなことをおっしゃったことです。
「自分で作った問題なのに解けないことがあります。」
もちろん、答えを見ればすぐ思い出します。しかし一週間ほど経ってからもう一度挑戦すると、また考え込んでしまう。
「何だっけ、これ。」
そうなることも珍しくないそうです。
だからこそ、この本は一度解いて終わる問題集にはしたくありませんでした。
何度開いても楽しめる。答えを知っていても、また挑戦したくなる。
それは
