「心が折れない」古典文法問題集?パターンドリルのこだわりポイントを著者に聞きました
こんばんは、中の人(@mAjorstep_jp)です。雨も多く、涼しくてクーラーが必要ない時が増えました。小菊の入った花束を飾って、つぼみが日々膨らむのを眺めながら、網戸越しに秋の虫の音を聞いています。
さて、英文法や数学で大人気の「パターンドリル」(文英堂)のシリーズに待望の高校古典文法 超基礎編が出版されましたので、今回はそちらを取り上げます。
石山先生のご紹介
石山 貴裕(いしやま たかひろ)
1983年生まれ。大阪府出身。大阪府立住吉高等学校を卒業後、神戸大学文学部人文学科に進学、国文学(中古文学)を専攻する。学部卒業後、一年間の非常勤講師経験を経て、院試を受けることを決意。神戸大学大学院人文学研究科文化構造専攻(国文学分野)に進学し、複数の高等学校等を兼任しながら修了した。研究の大テーマは「物語の終焉の方法論」であり、中古・中世王朝文学を中心に、物語が終わる力学について分析を進めている。また、古典文法と身体感覚のつながりについて重視した教育実践を行う。
現在は大阪府立高等学校に勤務するかたわら、さまざまな活動を行っている。「情報発信と資料・ノウハウの共有は教師の責務」と考え、ウェブ上では「八神夕歌(やがみゆうか)」の名前で、勉強会(一歩二歩の会)を主催・実施し、プリント等のコンテンツを公開している。
X(Twitter):@kotonoha_yakata
石山先生は八神夕歌先生の名前でXでご活躍中です。八神先生と聞くと小論文・現代文の指導スキルを学ぶ会の会員の皆さまはピンときた方もいらっしゃるでしょう。当会主催の作問勉強会にご参加されている先生です。
今回はそんなご縁もありまして、お忙しいなかではありますが、中の人とシン・中の人で気になる点を挙げてアンケートを作成し、石山先生にご回答いただきましたので、会員の皆さんにもシェアします。
……本記事のサマリー……
「高校古典文法 パターンドリル 超基礎編」の著者・石山先生に、教材づくりのこだわりを聞いた。項目の並び順や圧倒的な問題量、入試問題ではあまり扱われない作品からの出典など、自学自習で基礎を固めるための工夫を紹介。さらに、文章の意味でつまずかず文法に集中できるよう、豊富な現代語訳やルビを用意した理由にも迫る。動詞の活用を徹底的に反復し、助動詞へつなげていく構成など、古典文法を「解き続けられる」教材にするための設計思想が明らかになる。
Q.パターンドリルのコンセプトはなんですか
――学校の、一般的な高等学校の教員として古典の授業をしていくなかで、どんな問題集があったらいいかな、ということを想定して作ったのがこのドリルです。
解き続けることができるようにするにはどうしたらよいかに注力しながら、他教科で出版されたパターンドリルのデザインや、反復して基礎を固めていくという方針に私も共感し、出版するに至りました。
パターンドリルの3つのこだわり
Q.パターンドリルのこだわりポイントはなんですか?
――こだわったポイントは、項目の並び順と問題量、そして入試問題で出会わない文章からの出典です。
超基礎を固めるための出典と問題数
――まず、超基礎編を出版するにあたり、入試問題から出題しようとすると超基礎というレベルから逸脱してしまうという問題があります。入試問題という性質上、ちょっと意地悪な問題に行き当たるためです。
もちろん、最終的にはそのようなレベルの問題に太刀打ちできるようにして欲しいですし、授業や定期考査でも同様なことが起きます。そのレベルに到達するため、という目的をもって作成しました。
そのため、自学自習できることに主眼を置いて、有名な文言だけでなく、入試問題をあまり意識せず、うつほ物語をはじめとした入試問題であまり扱われていない作品、もしくはこれから扱われていくだろうという作品から引っ張ってきました。
そのため、ジャパンナレッジ、あるいは図書館で調べて数多くの文例を参照しました。
そして、とにかく比類なきまで問題数を増やしました。実際に問題数の話になった際、出版社さんとも話に上がりました。この量を見たときに、心が折れてしまうのでは? という懸念もあったのです。
だから心折れない工夫をどうやろうかとだいぶ悩んだうえで作成しました。
心折れずに、文法に焦点を当てるためのルビ
――心が折れない工夫をするうえで念頭に置いたこととして、問題集を解くときに、問題を解きたいけれども、まず問題の文章の意味がわからないとの生徒の声がありました。
要はその問題に出てくる文章の意味がわからないから、問われていることまで辿り着けずにつまずいてしまうわけです。
だから、文章を読むうえで、できる限り単語の意味で引っかからずに、文法の問題だけ解けるような形にするために、問題の傍に現代語訳をものすごい数で載せてます。おそらく、この点において他の参考書や問題集と比べ物にならないと言っても過言でないと思います。
それと同時に読み方もルビを振ってあります。
ほぼ答えじゃないの?と感じるぐらい、ルビを振っているので、自信をもって解けると同時に、古典文法の感覚を掴めるように設計しました。
計算尽くした構成
Q.50という項立てのなかで工夫した点はありますか
――まず、現代文と古文の違いや、品詞分解、係り結びができるようにしたあと、用言の学習から入るようにしました。
