「問題が悪い」の正体は採点基準?――記述答案を「要素」から分析する
こんばんは、中の人(@mAjorstep_jp)です。夫が熱を出していて家族で出かけられないので、晴れ間にやれるだけ今までために貯めた家事をやろうと、布団を干したり、玄関周りの雑草を抜いたりしました。模様替えもでき晴れ晴れした気持ちで、夫の風邪を無事(?)もらいました。
これより悪化しないように、旬のものを食べて体を強くしたいです。
さて、本日は、#学習方略の原則 から派生に派生した話をお届けします。元々は、成績を問題のせいにする生徒の対処法についての #学習方略の原則 のお話でした。
そこから、良問や悪問とはどのような考えをもとに判断されるのか、そもそも良問なんてものは存在しないのでは? という問題提起がなされました。
今回は、さらに問題が悪い、という心理的な防衛が働くのはなぜか、その要因について根岸先生が語ります。
……本文のサマリー……
記述問題で思うような点数が取れなかったとき、生徒から「問題が悪い」という声が出ることがある。しかし、その原因は問題そのものではなく、採点基準の細かさや、答案に含まれる要素の評価にある場合もある。記述答案は、点数だけを見るのではなく、採点基準のどの要素を満たしていて、何が不足していたのかを分析することが重要だ。また、実際の採点現場では、作問者が最初に設定した基準だけで機械的に採点するのではなく、実際の答案を見ながら基準をすり合わせることもある。今回は、記述答案を「要素」から分析する方法と、採点基準が作られていく仕組みについて考える。
記述問題の悪問という評価の原因は採点基準にあり
こんばんは、根岸です。
選択肢の問題で「問題が悪い」という話が出る場合は、解釈次第で正答以外のものも選ぶことができるパターンがあります。それは問題が悪い、というより問題が不成立であると表現したほうがよいと先日の記事でお話ししました。
記述問題でも、思うような点数が取れなかったとき、生徒から「問題が悪い」という声が出ることがあります。
しかし、記述問題の場合にそのような声が上がるパターンでは、問題そのものというよりも、採点基準に対して疑問を持っているケースも少なくありません。
例えば、90字程度の記述問題に対して、六つもの採点基準が設定されているとします。限られた字数の中で複数の要素を盛り込まなければならないため、当然、すべての要素を答案に入れることは難しくなります。
このとき、「問題が悪い」と考えるよりも、「採点基準が細かすぎるのではないか」と考えた方が、実際に起きていることを正確に捉えられる場合があります。
記述問題では1要素がどのように点数になるのかが肝
小論文・現代文の指導スキルを学ぶ会(β版)でたびたび開催される#現代文作問勉強会 でも、必ず採点基準は作ってお互いに審議し合います。
その際に話が出るのは「要素」です。
記述問題の採点では、答案にどのような内容が含まれているかを「要素」に分けて見ることがあります。
例えば、六つの採点要素があったとして、そのうちどの程度を答案に含めることができたのかを考えてみる。すべての要素を完全に盛り込めなかったからといって、答案全体が間違っているわけではないのだ、と生徒に伝えます。
大まかなイメージとして、必要な要素の8割程度が取れていれば、本番の入試では満点に近い答案であると評価してよいでしょう。
三分の二程度であれば8割程度、半分程度であれば6割程度、といった捉え方をして指導に当たると一つの基準になると思います。
数字だけを見ず、要素の分析に力を入れよう
もちろん、実際の配点や採点基準によって異なるため、すべての問題にそのまま当てはめることはできません。ただ、生徒の結果が何点だったかだけに焦点を当てるのではなく、「答案の中にどの要素が入っていて、どの要素が足りなかったのか」と分析することには意味があります。
先生方が生徒の答案を見るときにも、単に「ここが足りない」「ここが書けていなかった」と指摘するだけではなく、一緒に答案を分析してみるとよいでしょう。
「この部分は書けている」
「ここは採点基準のこの要素に当たる」
「ここが入っていれば、さらに点が伸びた」
と要素ごとに確認していくことで、生徒は自分の答案のどこが評価され、どこを改善すればよいのかを具体的に理解できます。
採点基準はどのように決まるのか
ちょっと裏話でもしましょうか。

