「看護師と職人の共通点は?」香川県立保健医療大学の小論文が面白い
こんばんは、シン・中の人、一ノ瀬(@mAjorstep_jp)です。
めっきり秋らしくなってきました。読書の秋、食欲の秋、そしてなぜか急に新しいことを始めたくなる秋です。私はというと、夏のあいだ見て見ぬふりをしていた積読の山と、そろそろ向き合おうと思っています。たぶん、思っているだけで秋が終わります。
さて、今回の「全国公立大小論文の旅」は四国へ。取り上げるのは、香川県高松市にある香川県立保健医療大学です。
保健医療学部に看護学科と臨床検査学科を置く、医療系に特化した公立大学です。
ご紹介するのは、看護学科の学校推薦型選抜における小論文の問題です。2025年度と2026年度を見ていきましょう!
「看護師と職人」って、どういうこと?
患者に関わる看護師と物作りを行う職人の類似点と相違点について記述し、それを踏まえて看護という仕事についてのあなたの考えを800字以内で述べなさい。
(一ノ瀬):2025年度の問題、面白いですよね。最初に見たとき、「看護師と職人?」ってなりました。
(根岸先生):これは飛び道具ですよね(笑)
(一ノ瀬):しかも、類似点と相違点を挙げるだけではなくて、それを踏まえて「看護という仕事」について800字以内で考えなさい、と!
(根岸先生):そうなんですよ。面白いけど、実際に書こうとすると結構難しいと思います。
(一ノ瀬):生徒には、まずどこから考えさせますか?
(根岸先生):私だったら、相違点から始めますね。だって、違いは分かりやすいじゃないですか。
看護師は「患者」という人に関わる仕事。一方、職人は「もの」に働きかける仕事です。まず、この違いを確定させてしまう。そのうえで、「じゃあ、働きかける対象は違うけれど、共通しているところはないだろうか」と考えていきます。
いきなり「共通点」を探さない
(一ノ瀬):でも、「看護師と職人の共通点は?」といきなり聞かれると、結構困りますよね。
(根岸先生):そうなんです。だから、いきなり答えを出そうとしないことが大切だと思います。まず、それぞれが仕事をしている具体的な場面を思い浮かべてみる。看護師は患者に対して、実際に何をしているのか。職人は、ものに対してどのように関わっているのか。
(一ノ瀬):メイジャーステップで言う「What?の問い」ですね。
(根岸先生):そうですね。観察したり、想像したりして、まず現状を具体的に捉える。
小論文というと、すぐに「自分の意見を考えなきゃ」と思ってしまう生徒がいますけど、その前に「そもそも何が起きているのか」を考えることが必要です。
例えば、看護師なら患者によって症状も性格も生活背景も違う。その人の状態を見ながら、必要なケアを考えますよね。
職人も同じで、扱う素材や依頼されるものによって、まったく同じ対応をするわけではない。そう考えていくと、対象は「人」と「もの」で異なっていても、目の前の対象をよく観察し、その特徴や状態に応じて働きかけるという共通点が見えてきます。
こういうふうに、具体的な場面から少しずつ抽象化していけばいいんです。
でも、これで800字は書けない
(一ノ瀬):なるほど。「個別に対応する」という共通点が見つかったとします。でも、問題は800字ですよね。
(根岸先生):そう。そこなんですよ(笑)
この問題は、比較したあとに「それを踏まえて看護という仕事についてのあなたの考え」を書かなければいけません。
だから、そこからもう一段深める必要があります。
(一ノ瀬):どう深めますか?
